親孝行になる老後施設の選び方

サービス付き高齢者向け住宅や老人ホームなど施設の前段階として、元気なシニアの暮らしをサポートする「シニア向け賃貸住宅」があります。これらのホームは、最低限のサポートとプライバシーを保ちながら、自由な環境を提供している。以下のオプションは、介護施設に入るにはまだ早いが、今すぐにでも準備したいという親に適している。

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福祉住環境コーディネーターに聞く、シニア向け賃貸住宅とは?

シニア向け賃貸住宅とは、「プレ介護」のための住居です。ご両親の老後の生活について不安に思っているものの、施設へ入居させることには抵抗を感じるご家族にとっては、介護への橋渡し的な住居といえるでしょう。また、「老人ホーム」という言葉の印象もあり、入居に抵抗感を覚える高齢者の方もいらっしゃいます。ご家族にとっても、入居者本人にとっても、敷居の低い老後の住まいが「シニア向け賃貸住宅」なのです。

シニア向け賃貸住宅について詳しく調べている方も、これから調べようと思っている方も、知って損はない入居のメリットについて解説します。

メリット1:今の家よりも暮らしやすい住居・周辺環境

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ご両親が住んでいる家は、老後を想定して建てられたものでしょうか?一戸建てであれば、息子さん、娘さんが巣立っていくのと同時に使わない部屋が出てきたり、お体の状態によっては2階へ上がりづらくなったりということもあるはずです。いっそ、家を売って一般的な賃貸住宅へ引っ越そうと考える方もいるかと思いますが、どうせならご両親には万が一に備えるサポートがついたバリアフリー設計の住居に住んでもらった方が安心ではないでしょうか。

バリアフリーに配慮して設計されているシニア向け賃貸住宅なら、高齢になってからでも住居内の移動が楽です。シニア向け賃貸住宅によっては、駅からの距離や周辺施設の充実度を考慮して建てられているものもあります。住環境に配慮したシニア向け賃貸住宅を選ぶことで、ご両親には今住んでいるエリアよりも利便性が高く、過ごしやすい場所で老後の生活をおくってもらえることでしょう。

また、外出の際の連絡や門限時刻が定められているわけではないので、自宅に住むのと同様の自由な生活スタイルを維持できます。

メリット2:必要最低限のサポートで自由を奪わない

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一足飛びに介護施設に入ってしまった場合、介護の必要上、どうしても行動の制限を受けるかもしれません。まだ元気なので自由に暮らしたい、施設には入りたくないと考えているシニアには、サービス付き高齢者向け住宅や老人ホームのような「必須利用」のサービスが少ないシニア向け賃貸住宅が適しています。必要な時に必要なだけの医療・介護・生活支援サービスを用意しているので、ご自宅で過ごすのと変わらず、入居者の自由を奪いません。

住んではみたものの住環境やサービス内容が合わないという方でも、シニア向け賃貸住宅は「賃貸」なので気軽に他の物件に移ることができます。シニア向け賃貸住宅は「老後施設」ではなく、「老後の住まい」といった方が適切かもしれません。

メリット3:親と子の「近居」のニーズにも応える

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高齢ご両親が遠方にお住まいの場合、もしもの時を考えると心配になりますよね。親としても元気に過ごしているうちはともかく、夫婦どちらかが体を壊したり、亡くなってしまったときに家族がそばにいないと孤独を感じてしまうもの。ご家庭の都合上、親御さんとの同居が難しく、ご本人も施設への入居を嫌がっているなら、「シニア向け賃貸住宅」を検討してみてはいかがでしょうか。

シニア向け賃貸住宅なら、「施設に入りたくない」というご本人の気持ちと、「近居してほしい」と考えるご家族の希望に応える住まいとなっています。高齢になってからの転居では、ご両親の体に負担がかかります。まだ元気なうちに、親御さんをご家族の住むエリアへ呼び寄せることも検討してみてください。

シニア向け賃貸住宅のデメリット

コスト面に関して、いくつかのデメリットが挙げられます。一般的な賃貸住宅と比較すると、家賃の相場はやはり割高で、保証金の額も高めに設定されています。また、希望する介護サービスを受ける場合には、外部の事業者にその料金を支払う必要が生じます。

暮らし始めたときには介護を必要としていなくても、年が経つにつれ徐々に介護が必要となる可能性もゼロではありません。重度の介護が必要になった場合には、シニア向け賃貸住宅での暮らしを続けることはできず、住居を変更するなどの必要が生じます。

シニア向け賃貸住宅の費用相場

有料老人ホームと比べるとリーズナブルな料金設定になっています。物件によりかなりの差がありますが、おおよその費用や相場については、次のとおりです。

  • 初期費用:(保証金)数百万~数千万円
    敷金:家賃の2~3ヶ月分
  • 月額利用料:6万~50万円

シニア向け賃貸住宅の入居の流れと入所基準

まず「入居申込書」「本人確認書類・収入」「資産などの証明書類」「連帯保証人の本人確認書類」などを提出後、健康状態や注意点などの確認を行います。入居審査にあたっては、これらの書類や確認事項の内容などが判断材料となります。

入所基準は、物件によってさまざまではあるものの「介護は不必要あるいは軽度の介護が必要」「認知症に対するサポート無しでも生活が可能」などが、一応の目安となります。

シニア向け賃貸住宅のサポート内容や設備

物件により異なりますが、一例として次のようなサポート内容や設備が用意されています。

  • 普段のサポート内容:1カ月間の生活の様子を確認し、生活改善のためのアドバイスや提携病院の紹介などしてもらえます。
  • 設備:緊急時にそなえて「緊急通報システム」が設置されています。ボタンを押せばガードマンが駆けつけてくれます。

シニア向け賃貸住宅

サ高住と比較して特に異なるのは、シニア向け賃貸住宅には、日常的に利用できるサポートサービスが付いていない場合が多い、という点です。ただし、しっかりとバリアフリー設計がほどこされているところや、必要に応じて希望するサポートサービスのみを契約できるところなどが、一般的な賃貸住宅にはみられない特徴として挙げられます。

住宅には、キッチン・バスルーム・トイレに加え、収納設備も設置されています。また、基本的に1戸あたりにおける床面積は25平方メートル以上になるよう定められています。これらのことから、比較的、ゆったりと快適な生活を送れる環境が整っているといえるでしょう。

また、希望する介護内容を契約したり、緊急時にガードマンを呼べるボタンを利用したりするなどできる物件もあるため、入居を検討される際は確認してみるとよいでしょう。

元気なシニアにこそ「シニア向け賃貸住宅」が適している

日々の生活で「介護を受ける必要があるシニア」の方々を入居対象としているサ高住とは異なり、シニア向け賃貸住宅は介護なしで日常生活を営める「アクティブシニア」の方々を入居対象としています。また、原則として60歳以上であることも入居条件となっています。

60歳以上の親御さんがひとり暮らしを続けるのは、なんとなく不安を感じるけれど、まだそこまで身体が弱っているわけではない。この場合、どういった住宅に住むべきなのか考えているのであれば、ぜひ、候補のひとつとして検討してみると良いでしょう。

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